『TAKESHIS'』評
乳首DJ
フェリーニの『8 1/2』が引き合いに出されている映画みたいだけれど、
フェリーニのは学生の頃見て何だかわけがわらなかった記憶しかない。
また見てみるか。
まともにストーリーとして見てしまうと「難しい」「わからない」
となってしまうのだろうけど、
最初から整合性をとろうなんて思わないで撮っているんだから、
こういう映画は何も難しく見る必要がなくて、
ありのままを見ればいいのだと思う。
何も難しいことはない。
今の自分の置かれている状況が現実なのかわからなくなり、
本当は別の自分が存在するんではないか?
今、この瞬間は夢(嘘)ではないか? と思う。
毎日毎日、10円のガムを買うのに1万円出してくる客のような
面倒くさいことばかりであり、
何もかもぶち壊したくなる。
人生は、乗り切れないほどの人を乗せて走るタクシーのようであり、
もう「乗り切れないよ」「重くて走れないよ」
無理して走ってみれば、死体の群れを轢き殺すような道…
たけしのような天才ではなくても理解できる苦悩が描かれている。